経皮毒が怖い人に捧げるコラム ①『経皮毒』読後感を語ってみた

トップ > その他 > 調べてみました > 経皮毒が怖い人に捧げるコラム ①『経皮毒』読後感を語ってみた
2023年6月12日 月曜日

経皮毒が怖い人に捧げるコラム ①『経皮毒』読後感を語ってみた

こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。

 

 
さて、最近「経皮毒」について調べました。
『脱ステがつらい時に読むマンガ(仮)』の執筆のために、必要に迫られたためです。
 
「経皮毒」という言葉や概念は、自然派の方を中心に、すでにかなり浸透しています。
インスタやツイッターで検索すると「経皮毒に気をつけよ」というメッセージがたくさん出てきます。
簡単に言うと、身の回りのありふれた化学物質が、皮膚から体内に侵入し、いろいろな病気の原因になるから避けよ、という主張です。
 
この「経皮毒」概念がどういうわけか脱ステを後押ししているらしく、
そうである以上、「経皮毒」をスルーしたままステロイド使用を薦めても説得力がない、と感じたしだいです。
 
まず、この概念を世に出した本『経皮毒』を購入してみました。
とにかくこれを読まずに経皮毒は語れないはず。
↓↓↓

(日東書院本社 (2005/2/1)竹内 久米司、稲津 教久)
 
まず、「はじめに」ですが、
 
私は正直、ここで早くも、「・・・ん?」と思いました。
↓↓↓

(『皮膚から、あなたの身体は侵されている! 経皮毒』日東書院本社 (2005/2/1)竹内 久米司、稲津 教久 5ページを転載)
 
この前書きを読んで、みなさんはどう思われますか。
 
私は、研究者が書いたとするのには、妙にドラマティックで、また表現があいまいだと感じました。研修者ではなく、思想家とか、教祖っぽいひとが書いたような印象。
 
さて、ここで既に、この本を貫く、筆者の基本的な見解、
「種々の病気の増加は身の回りの化学物質が原因だ(しかも次世代に影響する)」は示されているわけですが、その論拠はここにはありません。
 
それは、この後提示されるはずだ、そう思ってページをめくってみると、
↓↓↓

(『皮膚から、あなたの身体は侵されている! 経皮毒』日東書院本社 (2005/2/1)竹内 久米司、稲津 教久 14ページを転載) 
 
つづく本編でも、たくさんの疾患が挙げられ、「原因は化学物質によるもの」という、同じ主張が繰り返されながら、論拠は、いっこうに示されません。
 
私は、少なくともアトピーと花粉症と生理痛の多くは食事改善で改善することを知っていますから、筆者の見解には否定的であり、とにかく論拠を知りたいのですが。
 
しかし、残念ながら、この本はその後も、
「~といいます」
「~と言われています」
「~である可能性があります」
「~と考えられています」
「~ということになりかねません」
「~ないとは言い切れません」
「~と言うことができます」
「~ではないかと考えられています」

 
という伝聞や推論をこれでもかと用いながら、
 
「種々の病気の増加は化学物質が原因」という、「根拠なき前提」が繰り返されます。
 
例えば、試しにえいやと開いたこのページ。
時間がある方はご一読ください。
↓↓↓

(『皮膚から、あなたの身体は侵されている! 経皮毒』日東書院本社 (2005/2/1)竹内 久米司、稲津 教久 31ページを転載)
 
ふんわりとした話ばかりで、正直、戸惑うほどです。
赤線を引こうとすると真っ赤になってかえって読みにくくなるので、手を入れずにおきました。
 
・・・で、私は一応、一読しましたが、この本は徹頭徹尾、こんな感じです。
 
もちろん、内容の真偽を云々できる専門的な知識は私にはありません。
とはいえ私は、このサイトを運営する上で、必要に迫られて学術的論文や資料をあれこれ読んできました。
 
そう言った「通常の」研究論文や資料は、具体的な論拠(の引用)を積み上げ、積み上げして、その積みあがったものの屋上でやっと「だから、こうだと思われる」って発言するんですよ。
 
けれどこの本は、そういうものとはまったく違います。
著者は私たちと同じ地上にいます。何も積み上げていないからです。
(調べたところ、この本の筆者は「経皮毒」にまつわる研究論文も書いていません。つまり研究をしていないのです。このことについてはまた後に触れますが)
 
ただの地上で「これはこうだ、だからこれをしてはいけない!」って叫んでいる人は、科学者ではないです。言ってみれば、妄想家。扇動家。そんなところです。
 
そんなわけで、私はこの本を「読む価値なし」と判断しました。
 
しかし、この本にはさらに、それでは済まない無責任さがあるのです。
 
この本を一読して、私が「さすがにこれは無責任すぎないか(@_@;)」と驚いた箇所を、二点あげてみます。
 
 
●次回「②なんで人々がこの本にやられちやうか考えてみた話」




関連記事

  1. 「経皮毒」が怖い人にささげるコラム ③「経皮毒の部位別吸収率」という妄想の出所についての話。
  2. 「経皮毒」が怖い人にささげるコラム ②なんで人々がこの本にやられちやうか考えてみた話。
  3. アトピーだから絶対食べちゃダメなもの?(中症アトピー kanちゃん 五歳女児)
  4. 「アトピーには脱保湿がよい」の根拠が見つからない話。その①
  5. アトピーと保湿について(中症アトピー kanちゃん 五歳女児)
  6. 藤川理論でアトピーは治るか(kanちゃん 中症アトピー 5歳 女児)
  7. 脱ステしようと思った理由(kanちゃん 中症アトピー 六歳 女児)
  8. 中症アトピー改善例・写真と経過(kanちゃん 中症アトピー 5歳 女児)
  9. アトピーと抗生物質。(マイロさん 最重症アトピー 20代 男性)
  10. アトピーの食事療法の進め方。(マイロさん 最重症アトピー 20代 男性)
Top