喘息の薬が効かない方へ。

2017年8月13日 日曜日

喘息の薬が効かない方へ。

喘息は深刻な病気です。
発作が起きれば、生命にかかわる場合も、ないとは言えない。
 

だから、薬は、患者の頼みの綱であり、命綱でもあります。
 
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なのに、その薬が、効きづらい患者さんがいます。
かつて、私の息子もそうでした(症状はそう深刻ではなかったけれど)。
 

なぜ、薬が効く人、効きにくい人がいるのか。
 

それを知るにはまず、喘息の薬は何を抑えているのか、を知る必要があります。
 
 

■喘息の薬は何を抑えているのか。
それについて、ママさんに説明するときは、こんな感じで説明します。
 
「そもそも、子供の喘息で処方される薬っていうのは、種類がそんなに多くなくて。
 
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(『小児気管支喘息 治療 管理ガイドライン 2012』より)
 
一つは、ステロイド。これは、炎症を抑えるお薬で、よく知られているよね。」

 

「うん」
 

「もう一つは、ロイコトリエン受容体拮抗薬

 

「え? ろ、ろいこ?」
 

ロイコトリエンじゅよーたいきっこーやく(^O^)!
 

〇〇受容体拮抗薬、っていうのは、〇〇がはたらくのを邪魔する薬っていう意味ね。
つまり、ロイコトリエン受容体拮抗薬っていうのは、ロイコトリエンの働きを抑える薬なわけ」
 

「ふむふむ。で、ロイコ・・・なんとかってなんなの」
 

「ロイコトリエンは、気管支を収縮させて、咳を出させてしまう物質なの」
 

「むむ、恐ろしい物質なんだね!」
 

「そう思うよね。
でも実は、ロイコトリエン自体が悪いわけじゃないの。
っていうのは、咳が出ることがいつも悪いってわけじゃないから。
 

たとえば、風邪をひいたときなんかは、ロイコトリエンが活躍して、咳を起こして、ウィルスを外に追い出してくれるわけ」
 

「なるほど。
じゃあ、ロイコ何とかは、良いこともすれば、悪いこともする?」
 

「そう。
それを左右するのは、じつは体内のロイコトリエンの量、というか、ロイコトリエンの原料の量なの。
それが体に適量あると、適度にロイコトリエンが作られて、体を守ってくれる。
だけど、たくさんありすぎると・・・」
 

「作られすぎて、喘息の原因になる!」
 

「そうそう。
ロイコトリエン受容体拮抗薬は、その、作られ過ぎたロイコトリエンの働きを抑えてくれるわけ」
 
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(喘息発作予防薬プランルカスト錠の解説より)
 
「ふむふむ。
・・・でもさ、なんでぜんそく患者の体には、そのロイコなんとかの原料が多いの?」
 
 

■ロイコトリエンの原料。
「それは、その原料を食事から摂りすぎてるから
 

「え、食事? 食べ物なの?」
 

「うん。正確にはリノール酸っていう物質。
特に、植物油にたくさん入ってるの」
 
植物油!? 
植物油って、ごま油とか、サラダ油とか、あーゆーの?」
 

「そうそう、あーゆーの。
あーゆーのを、ぜんそく患者はとりすぎている可能性が高いの」
 
「・・・え、じゃあ、植物油をとらなければ、喘息はよくなるの?」
 
80%の割合で改善がみられるというデータがあるよ。
少なくとも、薬は格段に効きやすくなる
だって、ロイコトリエンが減るわけだから、抑えやすくなるじゃん?」
 
 

■息子の場合。
三年前、喘息と診断された息子。
咳を止めるために、ホクナリンテープと、フルタイドが処方されました。
 
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(貼るタイプ。気管支を拡張させる効果がある。写真は借り物です)
 
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(吸入ステロイド、フルタイド)
 

一週間試しましたが、どちらもあまり効果がありませんでした。
 

その後、食事を見直すことで、咳は治まりました。
(その顛末はこちらをどうぞ)
以来、我が家では、ずっとそれを続けています。
 

それから数か月。
風邪をこじらした時、咳が残ってしまいました。
 

受診すると、フルタイドが処方されました。
「えー、これ、息子には効かないんだよな~・・・」と思いつつ、一応使いました。
 

すると、非常に効果があり、驚きました。
(ちなみに、私の友人の喘息の息子さんも、同じように感じたと言っていました。)
 

また、マイコプラズマからの気管支炎にホクナリンテープを使用した時も、非常に効果がありました。
ぴたっと咳が止まり、すやすや寝てしまったことに、あっけにとられたくらいです。
 

そして、私の周囲の、他のアレルギーのために食事療法に取り組んだ人たちも、
「まず、薬が効くようになったことにびっくりした」

「薬を少量にできてうれしい」

と、口々におっしゃいます。
 

このように身体は変わるのです。
 

確かに、気管支に症状が出やすい、という体質は残るかもしれません。
けれど、その症状の程度は、食事に原因している場合が多いと思われます。
 
また、食事を変えても、喘息の症状と完全におさらばできるとは限りません。
とはいえ、薬が効きやすくなれば、かなり心身ともに負担が減るのではないでしょうか。
 
 

■喘息をとりまく状況。
こんなに簡単なことが、どうして広まらないのでしょう。
私は不思議でなりませんし、とてももどかしい気持ちです。
 

いまだに、喘息治療の方法は、とても限られていますね。
吸入ステロイド。
ほこりなどの徹底的な除去。
または転地療養。

 
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それ以外には、手立てがなさそうに見える状況です。
 

アトピーのように、代替療法や、民間療法や、いかがわしい療法も聞きません。
あっても気休め程度で、科学的な根拠やデータが示されません。
(だから、間違った療法による被害は少ないのかもしれないけれど)
 

食事が主要な原因だ!
なんて話、お医者さんはもちろん、ネットの情報からも、聞こえてきませんね。
 

実は、それに触れた本がないわけではないのですが、
やはり「喘息」という単語がタイトルに入っていないと、なかなか広まらないようです。
 

 

 

わたしも喘息のキンドル本を作りたいのですが、なかなか時間が取れずにおります。
 

なので、必要な方は、こちら↓をどうぞ。
花粉症についての本ですが、喘息患者さんが取り組むべきことは、ほとんど同じです。
 

 
もっと踏み込みたい方は、こちら↓をどうぞ。
(ただし、「ステージ」の降りていき方は喘息には不向きなので要注意。)
 

 

お子さんの喘息がよくなり、ママさんがゆっくり安心して眠れる日が早く来ますように。
 
 
 
 
追記 2019.1.3 喘息の本が完成しました!
喘息kindle本
2019/01/03発売。
 




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