美肌とEPA。

2016年4月22日 金曜日

美肌とEPA。

●前回の記事を読む
 

さて、美肌コラム、二回目の今日ですが。
まずは、こちらをご覧くださいませ。
 

■丈夫なレンガ塀の作り方。
突然何よ、って? まあお聞きください。
 

レンガ塀を作るのに、まず必要なのはレンガ。
そして、レンガ同士をくっつける、モルタルと呼ばれる接着剤です。
 
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このモルタル、材料は、セメントと水。
このふたつを決まった比率で混ぜ、耳たぶぐらいの硬さにします。
 
そして、モルタル、レンガ、モルタル、レンガ、と重ね合わせていきます。
 
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モルタルは柔かすぎても、固すぎてもダメ。
適度な硬さだと、強くしっかりしたレンガ塀ができるわけです。
 
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あ、はみ出したモルタルは、乾かないうちにブラシでこすれば・・・
・・・って、違う違う!
 
 

■角質層の話です!
実はこれ、角質層の話です。
 
角質層とは、お肌の表皮の、そのまた一番表目面にある、うっす~い層。
その厚さ、なんと0.02ミリ!
 
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(https://minacolor.com/acne/articles/784より転載)
 

ただ、そのはたらきは超重要!
角質層はいわば、お料理をおおうラップのようなもの。
お肌の水分をたもち(保湿機能)、刺激からも守ってくれる(バリア機能)。
 
さて、この角質層、どうやってつくられるのか?
 

肌は絶えず生まれ変わっていて、下から上へ、新陳代謝(ターンオーバー)しています。
で、表皮細胞が上に移動してくる過程で、角質細胞になります。
 
すると、角質層と一緒に分泌された、ある物質が、がっちりと周囲の水分をたくわえ、ジェル状の物質になります。
このジェル状の物質を脂肪間脂質(セラミド)と言います。
 
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(httpwww.ob-labo.comhowtotagよりトリミングして転載)
 
このセラミドが、角質細胞の間にゆきわたり、角質細胞をしっかりとささえます。
こうして、保湿性、耐久性に優れた角質層が出来上がるのです。
 

つまりこの、セラミドの主原料である、「ある物質」の「水をたくわえる」はたらきが重要なわけですが、
じつはこの「ある物質」の代表選手が、EPAなのです。
 
 

■丈夫な角質層の作り方
では、丈夫なレンガ塀、もとい、角質層の作り方。
 

材料は、
・角質細胞(レンガ)
・セラミド(モルタル)
 ・EPAなど(セメント)
 ・水
 

まずセラミド(モルタル)を作ります。材料はおもにEPAと水。
このセラミドづくりがうまくいかないと、細胞間に水をたくわえることができません。
 
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そして、角質細胞の間をセラミドで埋めていきます。
セラミドがしっかりしていれば、角質細胞はきっちり隙間なく並んでくれます。
 
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さあ、できました!
保湿性、耐久性に優れた、うつくしい角質層の完成です!
 
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いかがでしょう。
じつは、この「お肌に水を蓄える」という働きは、EPAとよく一緒に語られるDHAにはできないお仕事。
美肌作りにおけるEPAの大切さ、わかっていただけたでしょうか。
 

今までは、DHAばっかり有名で、正直、そのおまけって感じで覚えていたEPA。
こんなに重要なはたらきがあったとは・・・ごめんよ、EPA!
 
 

■乾燥肌、敏感肌、混合肌の正体。
ここまでくると、乾燥肌がどうやってできちゃうか、もうおわかりですね?
そう、セメントに当たるEPAの不足です。
 

EPA(セメント)がないと、いくら水分があっても、丈夫なセラミド(モルタル)が作れません。
その結果、水は表面からどんどん蒸発してしまい、角質細胞(レンガ)の間はスカスカに。
 

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こうなると、肌は粉をふいてしまい、乾燥肌と呼ばれる状態になるわけですね。
保湿機能だけでなく、バリア機能も低下しちゃうので、ちょっとの刺激でひりひりする「敏感肌」にもなりやすくなります。
 

・・・が、話はここで終わりません。
 

この乾燥肌が進行すると、なんと、お肌自身が焦るのです。
「どうしよう、一大事だ、なんとかしないと!」って、パニクります。
 

そこで出しゃばっちゃうのが、アラキドン酸!(リノール酸が変化したもの)!
「俺が何とかしてやるぜ! 同じ脂質だし!」
ってな感じで張り切って、わらわらと皮脂腺から角質層の表面に出て来ちゃいます。
 
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よほど無理な食事制限をしていない限り、現代人の身体に、アラキドン酸が不足していることはありませんからね。
 

でも、残念ながらお門違い。
結果、そこだけべたついてしまう。
 
・・・そう、これがあの不思議な、「混合肌」の正体なのです!
 
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つまり、シミも、しわも、乾燥肌も、混合肌も。
体内の油のアンバランスが、大きな原因の一つと言えるわけです。
 
・・・よーするに!
肌荒れとアレルギーは、同じ原因が、大きく関与しているんです。
私の肌荒れが、、子供たちのアレルギーを改善するための食事ですっかり治っちゃったのは、とーぜん!と言えるわけですね。
 
 

■美肌作りの最終兵器、EPA!
もちろん、美肌作りには、今まで言われてきた、いろいろな栄養素が必要です。
タンパク質、各種ビタミン、鉄分、亜鉛、エトセトラ・・・。
 

それでも治らない頑固な肌荒れは、油のアンバランスのせいかもしれません。
油のバランスと健康の関係についての研究は、わりと最近、急速に進んだんですね。
とくに、肌荒れとの根本的な関係については、まだあまり一般的には知られてないよう。
 

・・・ってことで、頑固な肌荒れに悩むあなた!
とにかく油を控えて、魚をたくさん食べてみてください。
また、しそ油、あまに油に豊富に含まれるα-リノレン酸も、体内でEPAに変化します。
調理油として普段使いにして、魚不足を補うと、なお効果的でしょう。
 

お肌のターンオーバーは約一ヶ月。
一か月後が楽しみですね~ヽ(^o^)丿
 
 

■参考資料
こちらのグラフは、ニッスイHPからお借りしました。
 
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缶詰でも大丈夫。
でも、オイル漬けのツナ缶はダメですよ~!
 
 
●この記事の主な参考文献
・『AA,EPA,DHA―高度不飽和脂肪酸』 恒星社厚生閣 (1995/10)
・『血液をサラサラにする・DHA・EPA』 星崎 東明 ヘルス研究所(2010/7/30)
・『実験医学増刊 Vol.33 No.15 脂質疾患学 なぜ“あぶら”の異常が病気を引き起こすのか?? その質的量的変化と肥満、がん、不妊症、免疫・皮膚・神経疾患』 羊土社 (2015/9/7)




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