すべり台を下から登るのを許すか否か問題、について思うこと。

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2020年7月9日 木曜日

すべり台を下から登るのを許すか否か問題、について思うこと。


こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。

 
東京では、やっと公園で遊べるようになったこのごろ。
みなさんいかがお過ごしですか。
 
さて、今日、末娘(愛称さんちゃん、3歳)と近くの公園の複合遊具の滑り台で遊んでいたときのこと。
 

(写真は借り物でイメージです)
 
四歳ぐらいの女の子を連れたママさんが来て、さんちゃんとともに滑り台で遊び始めました。
私の身長ぐらいの、そんなに高くない滑り台です。
 
そして、その子がすべり降りようとしたとき、さんちゃんが下から上ろうとしたので、
「さんちゃん、ダメだよ、お友達が滑るから、階段から上ろうね」と声をかけました。
 
そのあと、こんどはその子が、下から登ろうとしたのですが、
ママさんが「だめでしょ! 決まり!」と強く制しました。
 
さんちゃんは複合遊具の上にいましたが、すべり台をすべろうとしていなかったので、
「あ、大丈夫ですよ、(うちの子)すべらないみたいなので(^o^)」というと、
 
「やらせてないので」とつよく言われました。
 
滑り台を下から登らせないタイプのママさんでした。
きっと、さっきの私の注意の仕方にも、いらっときていたんだと思います。
 
公園で、こういうことは時折あって、
わたしも、すべり台を下から登るのを許すか否か問題、が議論されているのを知っています。
そして、「やらせない」派のママさんが、100%正しく、常識的であることも知っています。
 
だから、反論しません。
そういう時は、すみません、としか言いません。
 
けれど、言いたいことがないわけではないので、ここに書いておこうと思います(笑)
 
 
そもそも、公園とは、子供が危険と戯れるための場所です。
 
だって、考えてもみてください、
子どもが小さければ小さいほど、公園の遊具は危険だったはずです。
 
ブランコにさえ、座る姿勢をうまく維持できない時代がありましたよね。
ふるふると不安定で、危なっかしくて、ずっと身体を支えていたあの頃。
 

 
だけどある日、ふと座っていられるようになり、
今度は、ちょっとだけ揺らしてみる。
大丈夫そうだったら、もっと揺らしてみる・・・
 
落ちたらけがをするから、慎重に、慎重に!
 
なぜ私たちは、あえて、小さな子供にそんな危険な行為を次々にさせてきたのか?
 
それは、子供に成長してほしいからです。
成長にはスリルが必要だということをわたしたちは知っているから。
 
スリルと戯れるということは、昨日までの自分の限界地点に立って、その先にふるふると手を伸ばすような行為。
そして昨日までの殻を破ることこそが成長なんです。
 
だけど、子供の成長とは早いもので、
ブランコにすら座れなかった子供が、あっという間に、ジャングルジムを登りきる日が来る。
 
大人の感覚としては、そこでめでたしめでたしなんだけど、
 
もっともっと成長したい子供は、それ以降は「頂上に立ち上がる」「飛び降りる」などのスリルと戯れるしかなくなるわけです。
 
もちろん、ある年齢になれば、肉体的なリスクを冒さなくても、いろんなやり方で、自分の限界に挑戦できるということを知っていくでしょうし、そのとき静かに、公園を去っていくでしょう。
だけどそれまでは、自分の可能性を広げたくて、どうしようもなく危ないことをしてしまうのが子供だと思うのです。
 
また、スリルと戯れることは、リスクを学ぶ経験にもなるでしょう。
どこまでやったら本当に危険なのかは、ある程度やってみないと分かりません。
 
小さな痛みを繰り返してこそ、大きな痛みの恐ろしさが想像できるようになるんです。
 
だから、逆から上ろうとする子供の可能性を、
「それはいけないことだ」
「あなたは悪いことをしている」と、無下に否定し、経験の機会を奪ってしまうのはどうかと思うのです。
 
「あなたはもっとすっごいことをしたいのね」
「そんなこともできちゃうの! あなたはすごいね」
 
そんなふうに肯定してやったあとで、
 
「とはいえ、ここはみんなの公園だから、ルールがあるんだよ。
もっと小さい子もいるから、今はちょっとがまんしようね」
 
と教えてやったらいいと思います。
(そして私は、他に子供がいなくなったら、我が子にこっそりゴーサインを出します(笑))
 
 
私は学生時代に、遊具デザインの講義を受けていたことがあるんですが、
遊具づくりのプロである先生が言っていた、こんな言葉が心に残っています。
 
「一通りの遊び方しかない遊具ほど下らぬものはない」
 
この言葉、子供を持った今、当時より理解できるようになりました。
 
そう、子供にとって公園は、いつまでも、危険と戯れたい場所なんです。
そして「こんな遊び方、できちゃうんじゃないか? やってみようか?」そんな「スキ(隙)」がある遊具こそが、子どもの心身の成長や、創造性や、危機管理能力を育むのではないでしょうか。
 

(昭和っぽいスリルいっぱいの、葛飾区は上千葉砂原公園「メビウスの輪」!
子どもがジャングルジムで危険なことをし始めたら、ぜひ連れて行ってあげてほしい(^^))
 
そして、滑り台や、ブランコや、ジャングルジムという遊具が時代を超えて生き残っているのは、
たぶん、これらの遊具が、単純ながらも洗練されたすばらしい遊具だから、つまり、「危険なことしたくなっちゃう」遊具だから・・・ではないでしょうか。
 
なんて思いながらわたしは、
すべり台を駆け上がる子供たちを叱るママさんを「100%正しい」と認めつつ、
 
怒られている子どもにこっそり「でも、頑張れよっ!」とエールを送りつづけています。




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