これぞ食育!(ソーセージ、続き)

これぞ食育!(ソーセージ、続き)

さて、どうしてソーセージは豚しかないのか、を簡単にまとめたわけですが。
●前回の話はこちら
 
 
■食べ方には、意味がある
実は、豚が冬の前につぶされ、肉にされたのには、まだいくつか理由があります。
 

●豚は、人間と食性がかぶる
豚は、人間と同じ雑食で、穀物を主食としています。
 
/wp/wp-content/uploads/f_esa1.jpg
 
だから、もっとも食料がなくなる冬には、人間の食料をおびやかす家畜となってしまうのです。
 

鶏もそうですが、卵という見返りがあります。
 

ちなみに牛や羊やヤギは草食。
北ヨーロッパには、人間の役に立たない牧草地はたくさんありました。
 
 

●豚のえさは、秋に豊富
秋になると、ドイツの森では、どんぐりが育ちました。
なので、秋に豚を森に放せば、冬の前までには美味しく太らせることができたわけです。
 
/wp/wp-content/uploads/ah_batohere1.jpg
 
ちなみに、ドイツ人はどんぐり食べないみたいです。
(日本の縄文人は食べてましたけどね)
 
 

●豚乳の効率の悪さ
世界には、いろんな動物の乳を飲む文化があります。
牛、ヤギ、ヒツジ、馬・・・、遊牧民ベドウィンはラクダの乳も飲みます。
(ちなみに、ラクダの乳は成分が人間の母乳に似ていることから、ベドウィンの文化では最も上等な乳とされています)
 

でも、豚の乳を飲んでいる文化は聞いたことがありません。
 

それはなぜかというと、豚は子供をたくさん産むんですね。
ですから、ひとつの乳房から一度に搾乳できる乳の量が非常に少ないのです。
 
/wp/wp-content/uploads/b0052564_194610521.jpg
 
絞って絞れないこともないんでしょうが、効率が悪いことはすたれるのが文化なんでしょうね。
 
しかも、たくさん産む上に、あっという間に成長する!
これは食肉にされちゃいますね。
 
 

そんなこんなで、豚は秋に太らせ、冬前につぶし、保存食として加工する、という文化が確立したのでした。
 
中でもソーセージは、あまりものの詰め物として生まれたわけです。
 
日本ではなんだか高級なもののように感じられるソーセージ。
起源としては、冬を生き延びるための、ぎりぎりのたべものだったんですね。
 

こういった食文化史を調べていると時間を忘れてしまいます。
いろんな食べ物、いろんな食べ方。
その一つ一つに、それが選ばれた歴史と、意味がある!
 

その物語は、ときに、小説よりもずっとおもしろい。
そして、最新の科学的なデータと同じくらい大切なことを、私たちに教えてくれると思っています。
 
 

■これぞ食育!
さて、「ソーセージは、もともとはあまりものでできていた」と知った息子。
しかし、なかなか信じてくれない。
 

そりゃそーよね。今のソーセージはおいしいもん。
 

ってことで、図書館でこんなDVD借りてきましたよ!↓

 

これ、1985年のNHK特番を収録した全八巻のシリーズですが、どれもすばらしい。
食とは何か? を教えてくれるシリーズ。
食文化というフィールドを見つめるにおいて外せないDVDだと思います!
 
こちらの一巻には、ドイツの、冬を迎えようとするある一家の、豚の屠殺、解体、加工の映像が収められています。
 

庭先で、一家総出、半日がかりで、一匹の豚を「食料」に加工する。
その手際の見事さと、目玉と蹄以外は食べるというもったいない精神には、衝撃を受けます!
 

息子と娘は、食い入るように見つめ、「すごいねえすごいねえ」と繰り返してました。
その後、なんども見ていました。
 

気に入ってくれて、母としてはとてもうれしいです。
NHKの特番DVDはけっこう公立図書館に揃ってるので、みなさんもよかったら探してみてくださいね!
 

でも、わが子たちよ、
児童館で「豚の腑分け」「血のソーセージ作り」ごっこはやめてくれ・・・(゜o゜)!
 
●おもな参考文献

 


 
続きはこちら




関連記事

  1. この納豆さえあれば。
  2. この煮物さえあれば。
  3. 甘いものは一日一回。
  4. 豆乳の健康効果!・・・の前に。
  5. 料理酒にはなぜ塩が入っているのか。
  6. 豆かん食べよう!
  7. 砂糖とアレルギー。
  8. あまに油入り〇〇・・・の落とし穴。後編
  9. あまに油入り〇〇・・・の落とし穴。前篇
  10. 冷やしたぬきの誘惑。
Top