近藤正二 『長寿村・短命村 緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める』

近藤正二 『長寿村・短命村 緑黄野菜・海藻・大豆の食習慣が決める』

サクサク度 ★★★★★ 忙しいママ向け

 

☑ 栄養素についての情報が多すぎて、何を信じていいかわからない。
☑ 細かい暗記や分類は苦手だ。
☑ 理想とされる、昭和30年代の和食に興味がある。

 

これほど読みやすく、そして、歴史的価値のある著書はそう多くない、と佐々木は思います。

 

著者は、東北大学の当時名誉教授でいらした衛生学者、近藤正二先生。
近藤先生は1937年から三十五年をかけて、日本全国の1000近い村を、自分の足で一つ一つ訪ね歩き、そこに住む人の、食生活と、生活習慣と、寿命の関係を調べ続けました。

その記録がこの本です。

 

内容としてはひたすら、先生がいろんな村を訪ね歩く様子と、こんなことがあったよ、という発見がつづられています。
研究書というより、まるで楽しいエッセイのようなおもむき。

 

当時の日本には、まだテレビが普及していない(情報が今のように行き来しない)ので、文化がまじりあっておらず、その土地土地で、特有の食生活、生活習慣が生きていました。

 

同じ海岸線に住んでいても、大型の魚をよく食べる村、雑魚をよく食べる村。
米どころで白米をたくさん食べる村、米どころなのに先祖の作った決まりで麦ばかり食べる村。
余った土地を遊ばせている村、せっせと大豆や野菜を植えている村。

 

そこにはっきりと、寿命の差が表れるのです。
そして先生は、人間は何をどう食べ、どう生きるべなのかを、ときあかしてゆきます。

 

二度と再現できない規模の、さまざまな食習慣の実験結果・・・ともいえる大作。

 

もうひとつ、素晴らしいのは、この本には「栄養素」が一つも出てこないこと。
(近藤先生は近代栄養学偏重主義に対して否定的でした。)

 

もちろん、より良い食事を追求するには、栄養素の勉強も必要かもしれません。
ただ、それと同じぐらい、いえ、もしかしたらそれ以上に「うまくいっている(た)ものに、ならう」ことが不可欠だと、私は思います。

 

先生が絶賛した長寿村、山梨県棡原の当時の食生活と生活習慣、あなたも真似っこしませんか。


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