青魚がダメな人は「ヒスタミン中毒」かもしれない。(Aさん 最重症アトピー 50代 男性)

トップ > 青魚がダメな人は「ヒスタミン中毒」かもしれない。(Aさん 最重症アトピー 50代 男性)

青魚がダメな人は「ヒスタミン中毒」かもしれない。(Aさん 最重症アトピー 50代 男性)

こんにちは。
子供たちのアレルギーが食事で治りました!
いまも三人育児に奮闘中の佐々木愛です。

 

引き続き、最重症アトピーが改善したAさんについての記事です。
 

 

 

 
Aさんは最重症のアトピーでしたが、食事療法により、症状が一時的に劇的に改善しました。
(その後、食事療法の継続が難しくなり、現在は以前ほどではないけれど、症状がぶり返しているとのこと。
そのへんについては次回詳しく触れます)
 
Aさんは、アトピーとともに、いろいろなアレルギーを抱えていました。
花粉症、喘息、紫外線アレルギー、そして、魚アレルギーをはじめとした、食物アレルギーと思われる症状です。
 

 
さて、魚アレルギーの場合、症状のでる魚は個人差があり、患者さんによってさまざまです。
ただ、体がある魚のある成分に反応しているわけですから、ある魚がダメな場合、その魚はつねにダメ、ということになります。
 
しかし、ときおり、同じ魚を食べても、症状が出るときと出ないときがある、という方がいます。
また、ある特定の魚というよりも、赤身の魚全般で症状が出やすいという方がいます。
 
赤身魚って何?と思った方、
赤身とは身の部分の色、青背とは外側の色でして、つまり青背の魚はたいてい赤身です。
↓↓↓

 
そういう場合は、ヒスタミン中毒を疑ってみるべきかもしれません。
 
 
■魚アレルギーではなく、ヒスタミン中毒かも
ヒスタミン中毒とは、厚生労働省の解説ページによると、
「ヒスタミンが高濃度に蓄積された食品、特に魚類及びその加工品を食べることにより発症する、アレルギー様の食中毒」です。

 
マグロ、カジキ、カツオ、サバなどの赤身魚の筋肉には、ヒスチジンというアミノ酸が多く含まれています。これらの魚が常温で放置されたりすると、このヒスチジンがたくさんのヒスタミンに変換されてしまいます。
 

 
このヒスタミンは、上記の魚だけでなく、その加工品、
また、えぐみやあくの強い野菜、チーズやワインなどの発酵食品にも、比較的多く含まれています。
 
これらの食品からヒスタミンを一定量以上摂取した直後~1時間以内に、ひふの腫れ、じんましん、頭痛、おう吐、下痢などの症状が出るのがヒスタミン中毒です。
 
ヒスタミン中毒は、外から取り入れられたヒスタミンで症状が起こっているので、アレルギーではありません(体内の免疫反応でヒスタミンが生成されて起きるのがアレルギー症状です)。
アレルギーがない人でも、ヒスタミンが大量に含まれた食品の摂取によって、症状が出ることがありますし、集団食中毒が起きたケースもあります。
 
とはいえ、症状が出るか出ないかには大きな個人差があります。
比較的少ない量のヒスタミンで症状が出やすい人というのがいるわけです。
 
するとつまり、ある青魚を食べてアレルギーのような症状が出た場合、
・比較的少ない量のヒスタミンで症状が出やすいタイプ
・魚アレルギー

自分がどちらなのか、自分で明確に判断するのは難しいということになります。
 
では、どうやって区別すればいいのか?
 
それは、アレルギー検査です。
ヒスタミン中毒は、アレルギー検査ではひっかからないのです。
アレルギーではないので、魚そのものが原因ではないからです。
 
ですから、こんな方は、魚アレルギーではなく、ヒスタミン中毒が出やすい体質であると疑うべきです。
↓↓↓

マグロ、カジキ、カツオ、サバなどの赤身(青背の)魚でアレルギーのような症状が出る
えぐみやアクの強い野菜、チーズやワインなどの発酵食品でも同じような症状が出ることがある
・上の症状が出るか出ないかは調理法や体調に左右される
魚アレルギーではないという診断を受けたことがある

 
Aさんは、青魚全般に魚アレルギーのような症状が出ていました。
また、あくの強い野菜でも症状が出るということだったので、ヒスタミン中毒かもしれないと思い、「酒や発酵食品は問題ないか」質問させていただきました。
すると、お酒やキムチでも不調の症状が起こるとのお答えを頂きました。
 
となると、Aさんはヒスタミン中毒が出やすいタイプなのかもしれません。
 
私には診断などできませんし、そういう中毒がありますよ、とお教えすることしかできません。
また、ヒスタミン中毒が出やすいタイプだと考えられたとしても、残念ながら検査法も治療法もないそうです。
 
しかし、ヒスタミン中毒という概念を知ることは大切だと思います。
それによって、中毒が起きやすい食品を系統だてて警戒することができるようになるからです。
 
厚生労働省によると、一般的な(魚由来の)ヒスタミンアレルギーの予防策は以下の通りです。
↓↓↓

・魚を購入した際は、常温に放置せず、速やかに冷蔵庫で保管するようにしましょう。
・ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。
・また、鮮度が低下した恐れのある魚は食べないようにしましょう。調理時に加熱しても分解されません。
・ヒスタミンを高濃度に含む食品を口に入れたときに、くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じることがあります。 
 この場合は、食べずに処分して下さい。

 
ヒスタミン中毒は健康な人でも起きることがあるので、ヒスタミンを増やさないように気を付けるに越したことはありません。
しかし、ヒスタミン中毒が出やすいタイプの方は、原因となりやすい食品をつねに避けたほうがいいでしょう。

 
そして、ヒスタミン中毒が出やすい方の、アレルギー改善のための食事療法についてですが、
魚が摂れない場合、DHA、EPAのサプリメントを取ることをお勧めします。
 
DHA、EPAのサプリメントは、一般的なものならば、ヒスタミン中毒がでやすいタイプの方でも、魚アレルギーの方でも、問題がない場合が多いです。
心配な方や、重度の魚アレルギーの方は、製造元に詳細を確認しましょう。


Top