タミフルは危険か。その2

タミフルは危険か。その2

タミフルは危険か。その1
さて、「インフルエンザ自体に、異常行動の可能性がある」ということが、わかっていただけたと思います。
タミフル単体に、異常行動を引き起こす副作用があるかは、今のところ不明です。
 

■その他の副作用の可能性
とはいえ、タミフルの副作用として可能性があるのは、異常行動だけではありません。
説明書きによるとこんな感じです。
 
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うーん、ちょっと怖い文言が並びますね。
ただ、医師に聞いてみると、このような副作用が起こる頻度は低いとのこと。
(ちなみにわが子(当時1歳半男子、当時2歳十か月女子)は、特に副作用らしきものは出ませんでした。)
 
参考までに、中外製薬株式会社のタミフル添付文書によると、

製造販売後の調査4,211 例において、
副作用は90例(2.1%)
主な副作用は、下痢22 件(0.5%)、悪心12 件(0.3%)、腹痛11 件(0.3%)、発疹10 件(0.2%) 等

 
となっています。
このデータによると、100人に2人。
多いとみるか、少ないとみるかは、人それぞれでしょう。
ちなみに、副作用が出た場合は、速やかに服用をやめ、医療機関を受診する必要があるとされています。
 
 
■日本以外のタミフル事情
さて、日本では、インフルエンザと言えば、タミフルなどの抗インフルエンザ薬を処方されることが一般的です。
しかし実はこれ、世界的にみると、一般的なこととは言えません。
 
以下は、1999年から2007年までの各シーズンごとの世界のタミフル処方量のグラフです。
 
(INTERNATIONAL MEDICAL PRESS「Antiviral Therapy」より)
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(和訳は佐々木)
 
日本がいかにタミフルをたくさん使用しているかが分かりますよね。
日本のタミフルの消費量は、なんと世界の消費量の75%。
 
どうも、諸外国では、「インフルエンザは寝てれば治る」というとらえ方が強いよう。
この差を知ると、「えっ? じゃあ私たちは必要のない薬を処方されているの?」という気もしますよね。
 
ただ、この処方量の差は、日本が世界的にも珍しい国民皆保険制度をとっていることも関係しています。(タミフルほどではありませんが、日本はそもそも諸外国に比べて薬の処方量が非常に多い国です)
私たちは、この制度のおかけで、比較的気軽に医療機関を受診でき、薬を購入することができます。これは、世界的にみると、まれなことなのです。
 
そのせいで、確かに私たちは、処方されるままに安易に薬を飲みすぎている・・・のかもしれませんね。
 
しかし、たとえばアメリカ(CDC疾病管理予防センター)でも、タミフルを始めとした「抗インフルエンザ薬を使用すべき対象」としている、患者の条件があります。
 
抗インフルエンザ薬を使用すべき対象
・入院を必要とするような重症な人
・65歳以上の人、5歳未満、特に2歳未満の小児
・妊婦
・気管支喘息、糖尿病、慢性の心臓病など持病がある人、HIVなどによって免疫力が落ちている人

(CDCアメリカ疾病管理予防センター「抗インフルエンザ薬の使用に関する勧告改訂版(2009年9月8日改定)」)
 
ちなみに、WHO(世界保健機構)の抗ウィルス薬の使用法の勧告(2009/08/21)においても「5歳以上の健康な児童は病気が長引く、あるいは症状が悪化している場合を除いて、抗ウイルス薬の投与は必要ない」とされています。
 
タミフルに拒否感があって、なおかつわが子がこの条件に当てはまらない!という方。
あなたのお子さんは、日本以外の医者にかかれば、「十分自分で治せる」と診断されうる、ということも、判断の材料にしてみてください。
 
 

■メリットとデメリットを秤にかける
タミフルに限らず、そもそも、副作用のない薬はありません。
服用を迷った時は、メリットとデメリットを書き出して整理しましょう。
ちなみに、私と主人は、今回こう考えました。患者は二歳の娘、Cとします。
 
●デメリット 副作用が怖い。
ただ、異常行動については、どっちにしろ見守りが必要だし、ほかの副作用の頻度はそれほど高くないと感じる。
 
●メリット 早く治る可能性が高い
娘は二歳なので、WHO、CDCの基準でも、タミフルを処方すべきとされる年齢だ。
高熱に苦しむ娘も、見ている私たちもストレスが大きい。
しかも、インフルエンザは終生免疫がつくわけではないから、早く終わらせてやりたい。
さらにわが子には熱痙攣のリスク、熱痙攣が起こった場合の痙攣止めの副作用の負担がある。
熱が出たり下がったりするたび、熱痙攣のリスクにさらされる。それは確実に減らしたい。
 
●結論 デメリットよりメリットが大きいので、タミフルを服用させる。
 
 
もちろん、答えはご家庭それぞれでいいと思います。
 
「インフルエンザはただの風邪なんだから、免疫の力を信じて、寝ていれば治る」という考え方もあるでしょう。
「より自然な薬である漢方で、つらさを和らげてやりたい」というやり方も、もっともだと思います。
 
大切なのは「正しい」選択ではなく、「養育者が納得できる」選択をすること。
そして、これで行こうと決めたら、特別な事態がない限り、ぶれないことです。
 
 
■タミフルは危険か。
さて、結局、タミフルは危険か。少なくとも、別の抗インフルエンザ薬に比べて危険か。
これは、はっきりわかりません。
 
ただ、それとは別に、今回私が思ったのは、
「タミフル怖い!」という「不安」におびえるママさんたちが、ちょっと危なっかしいな、ということです。
 
それは、タミフルを避ければ、異常行動が避けられるという早合点であったり、
タミフルは怖いから、熱が下がったらすぐやめるべし、という思い込みであったり。
(公園で話したママさんの中で、子供の熱が下がった時点で勝手に服用をやめた、という方が二人いました。
タミフルはウィルスの増殖を抑える薬なので、十分に減っていない時点でやめるとぶり返す恐れがあります。他の人に感染させる機会も増えてしまうかもしれません)
 
そのような間違った知識で、大切なわが子を、余計な危険にさらしてはなりません。
 
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タミフルは、怖いかもしれない。
どのぐらい怖いのか?
どうすれば被害を最小限に防げるのか?
わが子に必要なのか?
 
ちょっと怖いけれど、その怖さにしっかり向き合うこと。
そして、お子さんに最善とおもえるやり方を、えらんであげてくださいね。




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